2010年5月16日日曜日

不思議な少年

散歩していると、この子何を見てるんだろうか?と気になる子供を見かける事がある。
目をやると、そこにあるのは石や植物だったりとたわいの無い物だったりする。

好奇心から夢中になって観察しているのだと思うが、
私が思う形で対象を観ているのかと、昔みた少年を想い出す事がある。

私が小学生5、6年の頃だと思う。
低学年にいつも花などの植物に話しかけている男の子がいた。
彼は学校へ来た時、帰る時も花壇の所で一人遊んでおり、
花に向かって「どこいってたの?」「それは違うよ。」
と、別世界のごとく植物に向かって喋っていた。

今思うと、彼の感受性は極めて高く、
心に思い描いたのと現実と変らない世界を作りだし、実際に彼は花と会話していると思う。

普通であれば彼は変わり者とされ、除け者的な扱いになるが、
だ周りの子供から怖がられるという事もなく、逆に好かれていたようだ。(大人はわからないが。)
はたから見ていたが、彼と一緒にいる子供は何か本当に幸せそうな感じだった。
彼は
自分の知らない世界を知っている神秘的な存在であり、憧れがあったかも知れない。
私はそうだった。

花と喋る位なので誰に対しても親切だったなと記憶しているけれど、
ただ、彼が花壇で植物と戯れている時は、誰も声をかけないようにしていたように思う。
そこには彼と植物との世界があり、誰も侵すことのできない領域だったのだろうか。
周りの子もそれを感じ、見守るしかなかったと思う。

私は彼と喋ってみたかったけれど
勇気がだせずそのまま卒業して機会を失ったままだ。
散歩中に見かけた子供は、どういう形で物を観ているかはわからないけれど
大人と違い余計なフィルターが無い分、その感受性で素直に受け止められるんだろう。
私も素直に世界が見れたら少しは面白くなったかなと思う。
イメージを描いた。この話しは数年前に私がどっかのブログで書いたものです。

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