2009年12月1日火曜日

紅葉


数年ぶりに新宿御苑に行ってきた。
うっすら寒い気温と紅葉の色付きが綺麗で、お茶と餡の入った饅頭がむしょうに食べたくなる。
しかし食べないでブラック珈琲を飲むのが私流だ。
と、くだらない事をポツリポツリと思いながら歩く。

歩くとNikonのカメラを持った年配の人が多く、紅に色付く錦木にカメラが群がっている。
じっくり見たいが邪魔者みたいな自意識がでてくるので、そそくさと錦木を横目に見ながら通り過ぎる。
私はまだそうでもないが年を取れば同じようになるのだろうか。それもまた良い。受け入れるのも年の功だ。

ときおり、紅に色付くポイントごとにカメラが群がっており、目が慣れるとそれも御苑の風景と合っているとふと思う。
御苑は熱愛されている。見守る愛し方。強引に迫る愛し方。人それぞれだ。私はまだその域に達していないだろう。

歩いていると昔TVでやっていたようなGメンみたいに横並びの主婦達が前から歩いてきた。御苑は様々な人達が集まる。
Gメンを見ながら私は小さい頃の出来事を思い出した。
私の実家の後ろ側が海岸で週に三日は砂浜で遊んおり、そこに中学生らしき不良っぽい学生達が横並びで歩いてきた。
何故か私は横並びの学生達に恐怖し、砂浜に置いてある船に身を隠した。
横一列は黒澤明監督の七人の侍みたいで威圧感がでる。横並びの学生達は無言で船を通り過ぎずっと歩いて行った。
思春期の男は何に影響されているかわからない。
しかし、ここで長い人生の感性が養われる気がしないでもない。が断言はしないでおこう。思いつきは怖い。
話をもとに戻し、Gメン主婦達が前から近づいてくる。きっと皆が主役なのだろう。そうだ。人生は私達自身が主役であるべきだ。
そして、Gメン主婦達から通り過ぎる時会話が耳入った「ちょっと遅く歩く?」。
なんという事だ。速度を調整しながらお互いを気にかけていたのだ。美しき日本社会がここにあった。これが横並びだ。

御苑での出来事・・・もう私は眠くなってきた。おやすみ。


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